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フィリピンにおける外資規制

各国制度
作成日 : 2020年8月16日

フィリピンにおける外資規制

いざ海外の法人を買収しようとした際、見落としてはならないのが外資規制です。特に保有できる株式比率などが制限されているケースも多いので、外資規制のルールに則ると完全な買収とはなかなかならない場合もあります。今回はフィリピンにおける外資規制を見ていきたいと思います。

 

フィリピンでは国外からの投資の受け入れに門戸を広げている一方、国内産業を保護する政策が取られております。そのため、様々な規制があります。

 

 

規制業種・禁止業種

フィリピンには「ネガティブリスト」というものがあります。これは外国資本の投資が規制・禁止される業種が記載されているリストになります。1991年外国投資法(共和国法第7042号、1996年改正)に制定された規定に従い、定期的に改定されています。また、このネガティブリストはリストAとリストBに分類されています。

 

リストA:憲法、法律によって外国人が投資・所有を禁止・制限されている業種。

リストB:安全保障、防衛、公衆衛生および公序良俗に対する脅威、中小企業の保護を理由として、外国人が投資・所有が制限されている業種(外国資本による出資比率は40%以下に制限されている)。

 

 

出資比率

ネガティブリスト上では外資出資比率が100%禁止、25%・30%・40%以下に制限されている業種がそれぞれ記載されています。逆に言えばこちらの出資規制業種に当てはまらなければ出資比率の制限はないため外資による100%出資も可能です。

 

ただし、業種により外国資本比率規制があります。以前はフィリピン人向けに議決権のない優先株を発行することにより、議決権を与えずに保有比率のみを満たすことが可能であったため、この裏技がよく使われていました。2013年に新しいガイドラインが制定され、この裏技が使えなくなりました。フィリピン保有比率は、次の12の両方の株式数において条件を満たす必要があります。

 

1.  取締役(Director)選任のための議決権つき発行済み株式総数

2.  取締役(Director)選任のための議決権つきおよび議決権なし発行済み株式総数

 

実際のところ規制法令の解釈はフィリピン内でも統一されていないため、想定しているビジネス領域が確定したタイミングで管轄省庁と事前の確認を行うことが推奨されます。

 

 

資本金に関する規制

2020年3月現在フィリピンでは会社法上、会社設立における資本要件はありません。ただし、増資の場合は従来の25%の資本要件は変わらず残っています。

外国資本が40%を超える会社については、フィリピン国内市場向け企業の場合、最低払込資本要件は20USDです。この会社が先端技術を持っているか、もしくは50人以上を直接雇用しているという特定の条件のみ最低払込資本要件が10USDになります。

 

小売業では外資の場合、払込資本金は250USDで、1店舗当たりの投資は83USD以上必要です。もし高級品や贅沢品に特化した企業であれば、1店舗当たりの払込資本金は25万ドル以上と要件が下がります。

 

また、上記の資本金に関する規制のほかに、下記の14の条件をすべて満たすことができた場合、外資でも100%の参入が認められています。

 

1.  親会社の純資産が2億ドル以上。高級品や贅沢品を扱う企業に該当する企業の場合は5,000万ドル以上。

2.  世界で5箇所以上の小売店舗もしくはフランチャイズを展開し、少なくともその1店の資本金は2,500万ドル以上。

3.  小売業で5年以上の実績を有する。

4.   フィリピンの小売企業の参入を認めている国の国民もしくは同国で設立された法人。

 

この記事の執筆者

MABC 事務局

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